第3回 キャラ文庫小説大賞 質問回答
「第2回 キャラ文庫小説大賞」結果発表後に募集した、「第3回 キャラ文庫小説大賞」に関する疑問・お悩みにご回答いただいたみなさんありがとうございました。たくさんの質問をお寄せいただいた中から、みなさんの関心が高く重複していた7つの質問について回答いたします。Q&Aをぜひじっくり読んで、みなさんの「第3回 キャラ文庫小説大賞」の応募にお役立てください!! たくさんのご応募お待ちしております!
※尚、質問内容の意図を損なわない程度に、編集部にて一部文章を調整しております旨ご了承ください。
▼第2回 キャラ文庫小説大賞、最終結果はこちら
- Q1. 『世界観、キャラ、文章、全てにおいて詰めが甘い。だからデビューできない』と言われたことが複数回あります(他社の講評、プロ作家など)。よろしければ、その対策についてご教授ください。(PN:しの)
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A1. 『全てにおいて詰めが甘い』とはおそらく「最後までなんとなく読めるけれど、読者の印象に残らない作品」になっているのかもしれません。物語の読後感が「面白かった!」という満足感ではなく、世界観や設定、キャラクターなどの好感度や共感度が、読者の好み頼りになっている可能性があるなら、たとえデビューできたとしてもプロとして続けていくことは難しいでしょう。
まずは「第2回」の総評でお伝えした3つの点を踏まえて、読者に感情移入させるために、主人公を中心にした物語づくりを意識してください。
そして次に考えてみていただきたいのは「もし誰かに自分の作品を紹介するとしたら、どんなふうに説明するか」です。物語の導入でもキャラクターの関係性でもかまいません。
例えば、
・姉王女の身代わりに隣国に嫁ぐ王子。バレたら殺される、と悲愴な覚悟で婚礼の夜を迎えるけれど……(キャラ文庫「花降る王子の婚礼」)
・弱冠24歳のCEOがいる、平均年齢20代半ばの若い会社に、なぜか営業一筋の34歳の主人公が採用されてしまった!!(キャラ文庫「社長、会議に出てください!」)
・大人気ソシャゲの最推しキャラが、現代世界に生身となって転生してきた!?(キャラ文庫「推しが現実(リアル)にやってきた」)
など、ほんの一言で「読みたい」「面白そう」と思わせることができそうですか? そして物語の中心にちゃんと主人公はいますか? 主人公=読者です。読者を意識した掴みを意識すればデビューに近づくと思います。
- Q2. キャラクターを考えるのにとにかく時間がかかります。「明るくて前向き」というキャラクターならば、なぜそのような性格になったのか、生まれや家庭環境は……と半生を遡って考える(設定する)のですが、せっかく細かいところまで考えても、キャラクターがいきいき動いていく手応えがありません。そもそもこういう考え方でいいのか分からず、悩んでいます。 (PN:ハムチーズ)
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A2. 創作に正解はありませんが、質問内容を見る限り手応えがないとのことで、ハムチーズさんにとってはあまり良い方法とは言えないかと思います。
おそらくキャラクター単体の設定から作りはじめようとしていませんか? その場合、掘り下げる段階が早すぎるのかもしれません。考えた設定をすべて物語に落とし込もうとしてしまった結果、必要のないエピソードが入り不自由さが生まれているのではないでしょうか。
まずは、主人公の基本的な性格をはじめに「3つ」程度決める。基本的な性格以外は、実は対人関係の相手によって生まれてくる「反応」です。そしてそれが一番キャラクターを差別化させるキモなのです。
例えば「自分よりも上の立場の人に理不尽なことを言われたら言い返す(気が強い)」性格の主人公とします。その舞台が現代社会で、相手が上司の場合、状況によっては周囲から敬遠されたり、空気が読めないと後ろ指をさされるかもしれません。また、ファンタジー世界の場合、貴族に物申す正義感のある平民の代表として頼りにされるかもしれません。同じ性格や反応でも、立場や世界観によって読者の印象は大きく変わります。
そのため、主人公の半生を細かく設定することから始めるよりも、基本の性格を絞った上で、主人公がどの世界で何を目的に行動するのか、物語自体の方向性を決めてみましょう。 - Q3. 「第1回」「第2回」ともに現代ものが受賞していると思うのですが、ファンタジーよりも現代ものを求めているのでしょうか。 (PN:麦畑)
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A3. キャラ文庫が求めているのは「主人公が恋愛を通し葛藤して成長する、物語としての面白さ」です。もし「現代もののほうが受賞しやすい」と認識していらっしゃるようでしたら、それは大きな誤りです。
人によっては、ファンタジーと違って世界観や設定がないぶん現代もののほうが書きやすいと思われるかもしれませんが、読者に楽しんでもらうためにはファンタジーと同じくらい惹きつける仕掛けが必要になります。
「第3回」ではジャンルでの選考は設けておりませんので、主人公の成長を描く上で一番ふさわしい舞台の作品をお待ちしております。 - Q4. 応募作にR18描写は必須となるかをお聞きしたいです。 (PN:晩川まなえ)
- A4. R18描写がないという理由だけで、選考に落ちるということはありません。ただ、BLというジャンルにおいて読者が期待している要素ではあります。そのため、R18描写がないことが物語上に重大な意味をもたない限りは入れることをおすすめします。
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Q5. 応募要項に同じ世界観や設定のものを2作品応募したら選考外になるとありましたが、例えば現代の世界観で、キャラクターや話や恋をする過程が全く違うものを2作応募した場合、それは世界観が同じなので選考外になりますか?
それとも2作品ともファンタジーで世界観も同じだけれど、作品ごとにキャラクターが違っているみたいなものが選考対象外になるのでしょうか? (PN:鳴咲ユーキ) -
A5. 「ひとり最大2作まで応募OK(ただし、同じ世界観や設定は選考外)」としたのは応募者の作品の幅や興味の範囲を見たいためです。
「第1回」「第2回」と続けて応募いただいた方や「第2回」で2作応募いただいた方の作品を拝読して、テーマや設定が似通った作品もあれば、全く違う作品もありました。やはりデビューを目指している段階ではできるだけ多くの引き出しがあるほうが、デビュー後も力になると考えています。
そのため質問に挙げていただいている例だけで選考外と判断することはできませんが、2作応募しようとお考えの方はぜひ「こういう作品も書けます」とアピールしてみてください! -
Q6. 「上達できる・期待できる書き手」の特徴は何でしょうか?
同じ人がリピートで作品を応募した場合、読んで「前作より良くなっている」と思うのは、逆に「成長を感じない」と思うのはどのような時ですか? (PN:小波ほたる) -
A6. 2つポイントを挙げるなら『技術』と『アイデア』です。伝わりやすい描写ができているかという技術と、一言で「面白そう」と読者に思ってもらえるかというアイデアに着目しています。
「第2回」の選考において「前作より良くなっている」と感じた作品は、伝わりやすい描写やキャッチーで惹きのある設定など、前作より読者を楽しませようとする姿勢が見られました。その一方で、難解な描写や同じような設定の作品が続くと「似たようなお話しか書けないのかもしれない」と感じざるをえません。
文章や構成は意識した上で数をこなせば上達しますが、アイデアは書き手自身からしか生まれません。継続して応募いただいている方の成長性もみていますので、「第3回」では技術とアイデアを意識した作品作りをしてみてください。
- Q7. いつも同じような展開やキャラクターになってしまうのが悩みです。創作を始めて約1年半なのですが、ちょっと設定が違うだけでなんとなく同じような話を書いているような気がしています。 (PN:風船)
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A7. おそらく起承転結やキャラクターが無意識にパターン化してしまっているのだと思います。そういった癖から抜け出すには、とにかくインプットを増やしてみてください。読者であれば自分の好きなものだけを楽しく消費すればいいですが、作家を目指すのであれば普段は手に取らないものにも積極的に触れましょう。
キャラ文庫はもちろん、BLに限らずドラマやアニメ、映画に漫画、あらゆるエンタメでOKです。まずは寝る前や通勤電車中など1日30分から始めて、習慣化してみてください。筋トレと同じく毎日コツコツ続けることで必ず身についていきます。その上で、どこが面白いのかなぜ面白くないと感じるのか分析することで、自分の中に創作の引き出しが増えていくと思います。
「第3回 キャラ文庫小説大賞」質問募集!第2弾!
「第3回キャラ文庫小説大賞」に関する疑問に編集部がお答えします。応募にあたっての質問や創作の悩みなどどんなことでもOKです!みなさんの質問をお待ちしております。
募集期間:10/4(金)~10/15(月)21:00
回答:「小説Chara vol.51」(11/22(金)発売)、または、Chara公式サイト上
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好評につき「第3回 キャラ文庫小説大賞」を開催しています。
キャラ文庫が大切にしているのは、萌えはもちろん、主人公が恋愛を通し葛藤して成長する──≪物語としての面白さ≫です。現代ものでもファンタジーでもどのような設定でも大歓迎。
読者の心に強く残り大切な一冊として本棚に置かれる――愛され続ける作品を書きたいあなたをお待ちしています!!
大賞:50万円+書籍化 or 雑誌掲載検討
締切:2025年1月13日(月)23:59(郵送の場合は当日消印有効)
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